2008 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性高分子液晶と周期性多孔体の複合化による光応答性構造色材料の開発
Project/Area Number |
19550210
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
栗原 清二 Kumamoto University, 自然科学研究科, 教授 (50225265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 智成 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (90332866)
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Keywords | アゾベンゼン高分子 / 構造色材料 / 光スイッチング / 表示材料 / オパール構造 / 逆オパール構造 / 多層膜 |
Research Abstract |
ポリスチレン微粒子/シリカ微粒子の自己組織化により作製したシリカ周期性多孔体(逆オパール膜),にアゾベンゼン分子測鎖を有する高分子液晶を充填し、シリカ逆オパール膜と光応答性高分子液晶からなる複合体フィルムを作製した。このフィルムは、周期長および屈折率に応じた擬似的なフォトニックバンドギャップ形成に基づき、ある特定の波長の光を反射する性質を示し、平成19年度は、この複合体フィルムに偏光照射することで、600nmから630nmへの反射光の光変化を誘起することに成功し、このスイッチング状態がメモリー性を有していることを見出した。平成20年度は、波長変化を大きくすることを目的に、大きな複屈折率を示すことが知られている、トラン基をアゾベンゼン分子と共重合することで、約70nmの反射光変化を誘起できることが分かった。 さらに、作製が容易であり、より大きな反射光波長変化を示す構造色材料を開発することを目的に、アゾベンゼン高分子とポリビニルアルコール(PVA)を交互に塗布した多層膜構造色材料を作製し、アゾベンゼン高分子の光異性化に伴う反射光波長変化について検討した。ある種のアゾベンゼン高分子は、多層膜中で、PVA膜面に対してアゾベンゼン分子が垂直配向することをみいだした。垂直配向は、光異性化によりランダム状態になり、この垂直配向とランダム状態を光異性化で制御することで、反射光有⇔無のスイッチングが可能であることを見出した。
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