2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550211
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
池原 飛之 Kanagawa University, 工学部, 准教授 (90242015)
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Keywords | 相互侵入球晶 / 球晶成長速度 / poly(ethylene succinate) / poly(ethylene oxide) / 表面自由エネルギー / ブロック共重合体 / 結晶化ダイナミクス |
Research Abstract |
poly(butylene succinate)/poly(ethylene oxide)(PBSU/PEO)および、poly(ethylene succinate)/poly(ethylene oxide)(PES/PEO)ブレンド系を中心に相互侵入球晶形成ダイナミクスの解析を行った。PBSU/PEO系では、高融点成分であるPBSUの球晶が全体積を埋めた後、低融点成分であるPEOがPBSU球晶内で核生成・成長する条件において、PEOの球晶成長速度を解析した。PEOの結晶化温度依存性は、PBSUの結晶化により非晶部分のブレンド組成が変化することを考慮すると、従来から提唱されている速度式で記述することが可能であった。このことは、他成分の球晶内で成長するPEOは既に存在するPBSU結晶の影響を受けずに成長することを示している。そのため、PEOの結晶化はPBSU球晶内のラメラ間よりはフィブリル間において起こっていることを示した。PES/PEO系では、PESとPEOは特定の温度範囲において同時に球晶成長し、両成分の球晶成長面が衝突すると、お互いの球晶内でも連続して成長を続ける。本年度においては、より基礎的な実験データを得るために相互侵入球晶形成時ではなく融液中を成長する場合において、球晶成長速度の温度依存性とブレンド組成依存性を詳細に検討し解析した。その結果、PESラメラの表面自由エネルギーの組成依存性を得ることができた。また本年度は、PESとPEOのブロック共重合体の作成条件を検討した。PESの両末端がカルボン酸になるように修飾しブロック共重合体を作成したところ、分子量と組成からテトラブロック共重合体が作成できた。末端を修飾しない場合はトリブロック共重合体を作成できた。次年度ではこれらの試料について結晶化ダイナミクスを検討する予定である。
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