2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550212
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
古川 信之 Sasebo National College of Technology, 物質工学科, 教授 (00413873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹市 力 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90126938)
城野 祐生 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (80353233)
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Keywords | 開環重合 / 熱硬化 / ベンゾオキサジン / 耐熱性 / 分子複合材料 / ナノ分散 / コンポジット / ポリイミド |
Research Abstract |
1.新規熱硬化性樹脂および新規高分子量ベンゾオキサジンの合成と特性に関する研究 芳香族ビスフェノール類から誘導されるベンゾオキサジン類の反応性とスペーサー構造の関係についてDSC測定による速度論的研究の結果、電子吸引性スペーサーを有するベンゾオキサジンは、低温で反応が起こるが、開環重合全体の活性化エネルギーは大きくなる。これは、ベンゾオキサジン環の壊裂と付加重合にスペーサー基の電子的影響が関与していることに起因している。重合物のガラス転移温度は、架橋密度が高い材料ほど高くなる傾向を示した。また、芳香族ジアミン類を原料に新規二官能性ベンゾオキジン4種を合成し、反応性と重合物の熱機械的特性の研究を行い、ビスフェノール類から合成される二官能性ベンゾオキサジンよりも高い熱分解温度を有していた。これは、架橋構造の違いに起因していると考えられる。 芳香族ジアミン、芳香族ビスフェノール類から新規高子分子量芳香族ベンゾオキサジンを2種合成し、これらの反応性、架橋反応物の熱機械的特性について研究を行った。構造中に含まれるベンゾオキサジン環は、理論量の20〜25%で平均分子量は10,000程度であった。また、DSCの結果から架橋反応は二官能性ベンゾオキサジンよりも高い温度で進行し、反応物は、二官能性ベンゾオキサジンよりも高い熱分解温度を示した。また、これらは、膜形成が可能で、これは高分子量化による結果であると考えられる。 2.分子複合材料の基礎的研究 耐熱高分子材料である芳香族ポリイミドとシリカのナノ分散コンポジットの合成方法として、事前にアルコキシシランを部分加水分解させたゾル中で、ポリアミック酸重合する方法により、数100nmレベルでシリカ分散したポリイミド膜材料が生成可能であることを見出した。本法によるコンポジットは、ポリイミド構造中の極性基とシリカ表面が強い相互作用を起こすことにより、ナノ分散が達成されているものと考えられる。
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Research Products
(4 results)