2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19550212
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
古川 信之 Sasebo National College of Technology, 物質工学科, 教授 (00413873)
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Keywords | ベンゾオキサジン / 開環重合 / ポリイミド / 分子複合 / フィルム / ホットメルト / スペーサー / ソフトセグメント |
Research Abstract |
1. 高分子型ベンゾオキサジンの創製研究 ジアミノ化合物とビスフェノール類から次の反応が進行し、高分子型ベンゾオキサジン(以下高分子型BXZ)の合成が可能なことを昨年報告した。今年度は、新たに多環芳香族系ジアミン原料と芳香族ビスフェノールから誘導される2種の新規高分子型BXZを合成し、これらのBXZ環導入率、開環反応温度、硬化物の熱機械特性について評価を行った。^1H-nmrによる解析の結果、BXZ環は19〜20mol%の導入率で、DSC測定結果から開環重合反応は、170〜250℃で起こることが明らかとなった。また、動的粘弾性測定の結果、架橋密度は2.47[×1000mol/m^3]で、ガラス転移温度は130〜150℃という特性を示した。 2. ポリイミド分子複合材料の創製 ポリイミドと二官能性BXZの複合材料は、新規な複合材料であり、これらの複合組成と熱機械的特性の相関関係を把握する目的で研究を行った。ポリイミドと二官能性BXZは、フィルム化が可能で、両材料の相溶性が高いため、BXZ添加量にほぼ比例してガラス転移温度が低下する。これを加熱するとポリイミドマトリックス中でBXZの重合反応が進行し、ガラス転移温度は上昇する。従って、ホットメルト型の成型が可能である。また、BXZの反応後は、セミIPN様特性を示し400℃以上でも可塑化せずに弾性率を有するため、強靭な複合フィルム材料が得られることが明らかとなった。さらに、ポリイミド側鎖にフェノール性水酸基を導入することによりBXZの反応触媒としての機能付与が可能であり、BXZとの架橋反応を起こさせることも可能であることを明らかにした。 3. アルキレン鎖をスペーサーに有する新規二官能性ベンゾオキサジンの開発 スペーサーとして、-C(CH_3)_2-, -CH_2-, -O-, -S-など、単元素を有したBXZは、従来報告されている。これらは、開環重合後の成型体のガラス転移温度は200℃以上で高い耐熱性を示すが、可とう性に乏しくなることが知られている。本研究において、BXZに可とう性を付与する目的で、ソフトセグメント鎖として、アルキレン鎖を分子内に有する新規なアミド結合含有BXZの合成に成功した。
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Research Products
(7 results)