2007 Fiscal Year Annual Research Report
キレート形成を利用した不活性飽和炭素-ヘテロ原子結合の触媒的官能基化
Project/Area Number |
19559002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河内 卓彌 Keio University, 理工学部, 助教 (70396779)
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Keywords | ルテニウム錯体触媒 / 炭素-酸素結合切断 / 炭素-炭素結合形成 / エーテル / ピリジン誘導体 / キレート形成 / アリールボロン酸 |
Research Abstract |
本研究は、遷移金属触媒への配位可能な官能基と飽和炭素-ヘテロ元素結合を有する基質を用いて、キレート形成による安定化により飽和炭素-ヘテロ元素結合の酸化的付加を促進するとともに、新たな炭素-炭素結合の触媒的形成を目指すものである。まず、配位可能な官能基としてピリジン環を有するメチルアルキルエーテルを基質として用い、遷移金属触媒存在下でアリールボロン酸およびその誘導体との反応を試みた。遷移金属触媒としてはルテニウム錯体を用いた場合に目的としたメトキシ基がアリール基へと変換された生成物が観測された。カップリングに用いる有機金属試薬としては、ボロン酸エステルは反応性が低く、アリールボロン酸を用いた場合に生成物が最も多く確認された。また、用いるルテニウム触媒によって、副生するさらに脱水素化が進行した生成物と目的物の比率が変化することもわかった。さらに、添加物としてt-ブトキシカリウムを用いると生成物の収率が向上した。エーテル類の炭素-酸素結合の切断を経由する炭素-炭素結合生成反応は報告例があるものの、このうちで飽和炭素-酸素結合の切断を経るものは例がない。また、より脱離能が高いと考えられる対応するアルキルエステル類を用いた場合には、同様の触媒系でのカップリングがほとんど進行しない。エステルの場合にはより配位性の強いカルボニル酸素による配位が優先し目的の炭素-酸素結合の切断が起こりにくくなる可能性があるため、エーテル結合を形成している酸素原子配位が重要である可能性が示唆された。
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