2008 Fiscal Year Annual Research Report
液晶素子における分子配向の耐光性とそのリアルタイム評価技術の開発
Project/Area Number |
19560009
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山口 留美子 Akita University, 工学資源学部, 准教授 (30170799)
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Keywords | 液晶 / 配向膜 / 高分子 / アンカリング / 光劣化 / 光化学反応 |
Research Abstract |
◎実際のディスプレイに用いられているポリイミドを用いホモジニアス, ホメオトロピック, ハイブリッド, ツイステッドネマティック(TN)の計4種類の液晶分子配向状態の素子を作製した。さらに電圧印加時に光照射を行い, 電圧無印加時との比較, 電圧の実行値, 周波数をパラメータとしたときの比較を行った。その結果 1. ホモジニアス配向よりもTN配向も方が早く光劣化が生じた。このことから, 方位角アンカリングカの低下が, チルト角増加に先駆けて生じることが明らかとなった。ハイブリッド配向との比較においても, 極角アンカリングカの低下が観察された。ホメオトロピック配向が, 最もが高かった 2. 電圧印加下における光照射による耐光性は電圧無印加時とまったく変わらなかった。このことは光劣化は配向膜界面で生じていることがわかった。したがって電圧実効値,周波数による影響も観察されなかった。また界面の光劣化に対する液晶バルク配列の弾性ひずみエネルギーの影響が無いことが明らかとなった。 ◎集光照射においては, ファーフィールドパターン(FFP)変化の観察を行い, 光劣化のリアルタイム評価を試みた。 1. 光配向変化が生じるとほぼ同時に, 同心円上の干渉縞が現れ, またそのパターンが劣化の進行とともに変化することを確認した。FFPの変化が生じるまでの照射時間を観察することで耐光性の順位を用意に明らかにできることを明らかにした。 2. 光分解に伴うFFPは, 規則的な同心円状のFFPとならないため, 光配向変化によるそれとは区別が容易であった。一時的な1/2波長板の挿入等によるFFP変化を観察によって, 光配向変化が面内方向または面外方向で生じているかに関する情報も得ることができた。
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