2007 Fiscal Year Annual Research Report
室温強磁性カルコパイライトエピタキシーと薄膜物性評価
Project/Area Number |
19560012
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
内富 直隆 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (20313562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 有行 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (10303190)
神保 良夫 長岡技術科学大学, 工学部, 技術職員 (10134975)
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Keywords | 結晶工学 / 結晶成長 / 表面・界面物性 / 半導体 |
Research Abstract |
半導体スピントロニクスの実現には、室温強磁性を発現する半導体が求められる。このような半導体を目指してカルコパイライト構造を持つZnSnAs_2に注目して研究を進めている。これまで、Mnを5%ドープしたZnSnAs_2薄膜をInP基板上にヘテロエピタキシャル成長させることで良質なMn-ZnSnAs_2薄膜を作成し、現在その強磁性特性を調べている。その結果、室温300Kで強磁性転移温度を観測することができた。しかし、第2相の可能性などその詳細については更に研究を進める必要がある。あわせて、バッファ層として必要な高品質アンドープZnSnAs_2薄膜に関する物性測定について、薄膜に関しては報告例がなく、これまで十分に調べられているとはいえない。平成19年度は、p型-ZnSnAs_2薄膜を格子整合するInP基板上にエピタキシャル成長し、電気的特性と磁気輸送特性に関して新しい知見を得た。キャリア濃度および移動度についての温度特性では130K近傍で特異な伝導特性を示した。これは不純物バンドの伝導性に起因すると考えられる。また、カルコパイライト半導体薄膜では、これまで磁気輸送特性に関する報告例はなく、興味ある特性を見出した。ZnSnAs_2薄膜はInP基板に格子整合するカルコパイライト構造で、これまでの研究からスファレライト構造の共存も示唆されているが、室温強磁性半導体薄膜の可能性が高く、InPに格子整合するIII-V族半導体とあわせて磁性量子構造の作製が期待される。
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Research Products
(6 results)