2007 Fiscal Year Annual Research Report
イオン導電性カルコゲナイドガラスにおけるフォトイオニクス現象の微視的機構の解明
Project/Area Number |
19560014
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安仁屋 勝 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30221724)
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Keywords | イオン伝導 / イオニクス / フラジリティー / 光ドープ / フォトイオニクス / カルコゲナイド / ガラス / アモルファス半導体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、貴金属を含むカルコゲナイドがラスにおけるイオン輸送特性と光機能特性の微視的機構を明らかにすると共に、これらの接点から生み出されるフォトイオにクス現象の可能性とその基礎物性を理解することにある。 上記目的を達成すべく行なった本年度の研究実績は次のとなりである。 1 イオン導電性ガラスで見られる交流イオン伝導度の振動数に対するベキ依存性は、ガラスが有する中距離構造と密接に関係していることを見出した。この結果は、ガラスの化学組成によらず普遍的に観測されるベキ依存性に対し新しい解釈を与える。 2 液体Ag-Cu-Seを流体力学的なモデルを用いて調べ、音速や拡散の組成依存在性を理論的に予測した。 3 カルコゲナイドガラスやその他の物質系が示す粘性挙動を以前提案したフラジリティーのモデルに基づいて解析し、結合性とネットワークの連結度に対する知見を得た。光機能性材料の1つであるGe-Sb-Te系についても予備的研究を行なった。 4 カルコゲナイド・アモルファス半導体で観測される光ドープ現象をフラジリティーの観点から考察した。Agのドープ量はGe-Sのフラジリティーが最小値をとる組成で最大となることを見出した。 5 超イオン導電ガラスの非線形光定数は他のガラス系のものと比べ異常に大きな値を示すことを見出した。この振舞いを説明する理論的研究を開始した。 6 上記の研究の基礎となる物質輪送やエネルギー輪送の理論に対する研究を行なった。拡散係数を求める際に必要となる速度相関関数の解析的理論やイオンによる輸送熱のモデルを構築した。
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