2009 Fiscal Year Annual Research Report
InAsSbN/GaAsSbN新量子井戸構造を用いた赤外光素子の研究
Project/Area Number |
19560016
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河村 裕一 Osaka Prefecture University, 産学官連携機構, 教授 (80275289)
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Keywords | 赤外光素子 / 化合物半導体 / 量子井戸構造 / 分子線成長法 / 環境計測 / リモートセンシング / 医療応用 / 食品検査 |
Research Abstract |
今年度はInAsSbN量子井戸レーザの室温レーザ発振のための条件を見出すこと、およびInGaAsN/GaAsSb量子井戸の発光特性を明らかにすることを目的に実験を進めた。まずInAsSbN量子井戸レーザに関しては昨年と同様、単一井戸層の評価用結晶を作製し、層厚、SbI組成をパラメータとしてフォトルミネッセンス測定により光学的特性を評価した。層厚を3nmと変更し、Sb組成を2%から6%まで変化させてPL強度を測定した。その結果、Sb組成2%の場合にもっとも発光強度が強くなることを見出した。この条件によりレーザ構造を作製することにより室温発振が実現出来ると考えられる。次に、InGaAsNIGaAsSb量子井戸に関しては、その1基本となるInGaAs/GaAsSbタイプII量子井戸層の発光波長と強度を測定し、それを基準として特性の変化を調べた。N組成は1%に固定し、成長中断ありと成長中断無しの二つを比較した。その結果、成長中断ありの場合は液体窒素温度においても発光を観測することが出来なかった。これに対し、成長中断無しの場合においては、液体窒素温度において発光が観測され、N導入の効果により、波長が長波長側にシフトしていることが観測された。この結果からInGaAsN/GaAsSb量子井戸は長波長化にきわめて有効であることが明らかとなった。ただし、室温での発光は観測されていないことから、界面の欠陥を低減することが今後必要である。
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