2007 Fiscal Year Annual Research Report
極薄Si酸化膜上におけるGeナノドットの形成過程と微細構造の原子直視実空間評価
Project/Area Number |
19560023
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
趙 星彪 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 研究員 (90318783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
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Keywords | 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
当該研究では、まずGeナノドットの核形成、成長などの一連のプロセスを明らかにし、次にGeナノドットとSi界面近傍における欠陥の正体、および原子拡散現象などを解明することを目指す。それで、本系におけるGeナノドットの形成メカニズムと、PLスペトルの起源などを総合的に評価することを目的とする。手法としては、実空間かつ原子レベルでその場観察でき、実際に表面・界面での時々刻々変化していく様々な物理現象の解明できるUHV in-situ HR-profile TEM法(UHV in-situ high-resolution transmission electron microscopy in the profile-imaging geometry)、また、高角度散乱した非弾性散乱電子で結像するため、曖昧さのない原子コラム位置を直視観察できる特徴をもつHAADF-STEM法(high angle annular dark field-scanning resolution transmission electron microscopy)を用いている。初年度の平成19年度では、極薄Si酸化膜付きのSi(111)基板上にGe蒸着を行い、まずGeナノドットの核形成、成長の諸過程を、次に形成後のGeナノドット、およびそれとSi基板の界面近傍での微細構造の評価を試みた。Geナノドットの核形成・成長については、臨界核サイズを境に最初緩やかに成長してから急激に成長する様式を示すことが明らかになった。また、形成されたGeナノドットは、Si基板上にエピタキシャル成長し、約70%が単結晶であることがわかった。その際、粒径10nm以上では転位を導入してGe本来の格子定数を示しており、粒径10nm以下では転位がなく圧縮歪みを蓄えていることが明らかになった。 以上の結果から、臨界核サイズを用いた、極薄Si酸化膜上でのGeナノドットの成長モデルを提案し、以前市川グループが提唱した成長モデルの妥当性の裏付けのみならず、より詳細な成長モデルの提案・評価ができた。特に、本研究に用いたHR-profile TEM法による極薄Si酸化膜付きのSi(ll1)基板上でのGeナノドットの成長様子を実空間かつ原子レベルでのその場観察は、世界での初めてとられた成果であり、日本成長学会誌などに発表し、高い評価を得た。
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Research Products
(3 results)