2007 Fiscal Year Annual Research Report
電界放出素子のその場特性評価装置の開発と素子特性ゆらぎの要因解析
Project/Area Number |
19560024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 康仁 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (00225666)
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Keywords | 電界放出 / その場特性解析 / 特性揺らぎ / FEM像 / SKチャート / FNプロット / 電流変動 / 同時取り込み |
Research Abstract |
本年度の研究では、電界放出素子の特性揺らぎの要因解析に先立ち、FEM像と電流変動を同時にパーソナルコンピュータに取り込むその場解析装置の立ち上げを行った。市販の高速データ記録解析システムにソフト上の仕様変更を行い、FNプロット、SKプロットを行うことができるようにした。またカメラにより画像の記録も行い、相互の比較を行う準備を行った。直流に交流を重畳した電圧信号による電界放出素子の電流変化をアナログ回路でFNプロットに変換する回路に使用していたオペアンプを予めオフセット補償されたものを使用するなどの改良を行い、誤差2%程度の精度で変換することに成功した。現時点では指数化回路の温度補償に課題が残された。従来使用していた電界放射顕微鏡装置の真空環境を改善し、エミッタの加熱しなくても吸着粒子の少ない状態で長時間FEM像観察ができるようになり、FEM像の記録を行った。予備的な実験の際に、本研究で最も問題としているステップ状の電流変動とFEM像における輝点の有無が確認されたが、同時取り込みを行った際には表面構造が安定しており、ステップ状電流変動とFEM像における輝点の有無の相関については来年度改めて取り組むことになった。また、本研究補助金により日本真空協会の連合講演会に参加し、資料収集を行った。つくばの産業技術総合研究所の研究員を招聘ならびに三重大学の研究者を訪問し、電界放出素子の電流計測、FEM像取得に関して情報交換を行った。その際の旅費を本研究補助金によりまかなった。
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