2007 Fiscal Year Annual Research Report
光電子分光法による高誘電率ゲート絶縁膜/Geチャネル界面構造の決定
Project/Area Number |
19560026
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野平 博司 Musashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (30241110)
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Keywords | 表面・界面物性 / 角度分解X線光電子分光法 / 高誘電率絶縁膜 / 半導体界面 / 半導体物 / 深さ方向元素分布 |
Research Abstract |
最終目標である「高誘電率膜/Ge界面構造の解明」を目指して,平成19年度は,Ge基板上に高誘電率膜を蒸着する装置を設計・作製した。これと平行して,Ge基板上に希土類酸化膜を堆積したときのX線光電子法を用いた評価技術の開発・改良を行った。具体的には,Ge基板ではなく,Si基板上に堆積した希土類系絶縁膜の角度分解X線光電子分光法を用いた評価を行った。測定には,超高感度・高分解能X線光電子分光分析装置ESCA-300に加えて,SPring-8での放射光を用いた硬X線光電子分光測定を行った。その結果,Sc_2O_3は,吸湿性がほとんどないことを明らかにした。さらに,2nm厚のSc_2O_3をキャップ層として用いることにより,La_2O_3の吸湿をほとんど抑制できることを明らかにした。これは,Ge基板上に形成したLa_2O_3膜の保護膜として,Sc_2O_3が有効であることを意味している。また,500℃でLa_2O_3とSc_2O_3との界面で,ある程度拡散が生じ,1000℃では,2つの層がほぼ均一に混ざってしまうことを明らかにした。これは,Ge基板上に積層膜を形成した場合にも,同様に相互拡散の問題が生じる可能性を示唆している。また,2nm厚のSc_2O_3をLa_2O_3とSiの間に挿入したLa_2O_3/Sc_2O_3/Si(100)構造では,界面でのシリケートの形成がLa_2O_3のみより抑制できることを明らかにした。これらの解析を通して,スペクトルの最大エントロピー法を用いた解析法の改良を行った。これにより,平成20年度に行う高誘電率膜/Ge構造の深さ方向元素分析技術を確立した。
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Research Products
(3 results)