2008 Fiscal Year Annual Research Report
光電子分光法による高誘電率ゲート絶縁膜/Geチャネル界面構造の決定
Project/Area Number |
19560026
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野平 博司 Musashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (30241110)
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Keywords | 表面・界面物性 / 角度分解X線光電子分光法 / 高誘電率絶縁膜 / 半導体界面 / 積層構造 / 深さ方向元素分布 |
Research Abstract |
平成20年度は、まずLa_2O_3単層よりも低いリーク電流を実現できるLa_2O_3とCeO_2の積層構造の評価を行なった。具体的には、積層構造の熱処理による影響を調べるために、Ge基板上ではなく、Si基板上に堆積した試料を角度分解X線光電子分光法により評価した、測定には、超高感度・高分解能X線光電子分光分析装置ESCA-300に加えて、SPring-8での放射光を用いた硬X線光電子分光測定を行った。その結果、酸化セリウムは、熱処理条件によりCe原子の価数が3価あるいは4価になることを明らかにした。また、500℃以上の熱処理を行うとLa_2O_3とCeO_2との界面で、相互拡散が生じることを見出した。これは、Ge基板上に積層膜を形成した場合にも、同様に相互拡散の問題が生じる可能性を示唆している。また、1nm厚のCeO_2をLa_2O_3とSiの間に挿入したLa_2O_3/CeO_2/Si(100)構造の評価から、CeO_2を挿入することで、界面でのシリケートの形成を抑制できることを明らかにした、これらの解析を通して、スペクトルの最大エントロピー法を用いた解析法の改良を行った,次に、Siとの界面でLa_2O_3よりも安定であったCeO_2について、Geとの界面の熱安定性を評価した。具体的には、W/CeO_2/Ge構造を400℃または500℃で処理した試料をSPring-8のBL47XUを用いて、硬X線光電子分光測定を行った。その結果、500℃で熱処理をした方が酸化したゲルマニウム量が減少することを見出した。これは、ゲルマニウム酸化物が500℃の熱処理中に分解したためと考えられる。
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Research Products
(6 results)