2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560029
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
石井 真史 National Institute for Materials Science, 量子ビームセンター, 主任研究員 (90281667)
|
Keywords | 表面・界面物性 / 放射線、X線、粒子線 / 格子欠陥 / X線反射率 / メモリー / イットリア / プラチナ / 金 |
Research Abstract |
近年注目を集めている抵抗変化型不揮発メモリー(Resistive Random Access Memory;RRAM)について、その抵抗変化を起こしていると考えられる界面の状態を動的に解析することを目的に研究を進めている。本年度は、予定通り主に試料となる薄膜作製と"その場"分析測定装置のセットアップを行った。 まずマグネトロンスパッタ法によってCeO_2、誘起金属分解法によってY_2O_3とCeO_2の良好な薄膜を作製した。これらの膜上に更にPtもしくはAu金属電極を蒸着し、問題のRRAM界面構造を形成した。 Y_20_3/金属電極界面を調べたところ、反応性が極めて高く、電界印加により酸素放出を伴う爆発的な反応を観測した。このことは、酸素欠損が電気伝導に重要な役割を果たすと考えられるRRAMにおいては、Y_2O_3は酸素放出材料として利用できることを示唆している。一方で酸素の放出を抑制する物質の混入は、これまで行われていなかったRRAMにおける抵抗変化制御を可能にすると期待される。 このようなY_2O_3の界面の反応性の高さは、X線反射率(X-ray Reflectivity;XRR)測定でも確認できた。100℃程度の極低温で起きる界面化学反応をXRRで観測することに成功した。Y_2O_3/金属電極界面のX線入射臨界角は加熱処理と共に変化し、その動的過程を追うことができた。特にAuを金属に用いた場合は変化が著しく、臨界角を変える界面物質が形成しやすい事が明らかになった。RRAMにおける金属電極選択の基準として界面を評価する際に、XRRが有用であることを意味している。 更に"その場"分析装置として、電荷捕獲サイトに敏感な誘電緩和装置を導入し、予備測定に成功した。これにより20年度の研究の準備が整った。
|