2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属/誘電体サブ波長格子によるスラブ導波路型高分散プリズムの試作
Project/Area Number |
19560036
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
菊田 久雄 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (10214743)
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Keywords | 金属誘電体多層膜 / 分光プリズム / 微小光学 |
Research Abstract |
本研究では、高分散分光プリズムやアクロマチック導波路レンズなどの新しい光学デバイスの実現を目指して、金属と誘電体からなるサブ波長周期格子を用いたスラブ導波路型の高分散分光プリズムの試作に取り組んだ。平成20年度は、高い分散能を得るためのレンズ機能をもつ構造の提案と数値計算による検証を行うとともに、スラブ導波路の金属/誘電体多層構造を無電解メッキによって作製する手法を確立した。 H19年度では分光プリズムの設計を行ったが、今年度は分光された光を導波路、またはセンサに効率的に導くための集光レンズとしての2種類の構造を考案した。一つは、端面形状が楕円局面をもつ構造であり、電磁場解析による数値シミュレーションでは回折による理論集光限界の約1.3倍の集光スポットが得られた。また、このレンズを曲面分光プリズムと結合させることで、集光機能をもつ分光素子として働くことも示した。もう一つは、レンズ形状は矩形であるが、位置によって格子周期が異なる周期変調型の構造である。格子周期の変化によって実行屈折率に変化を付けることで位相分布を制御する。この構造では、レンズ表面での光反射を低減でき、優れた集光効率が得られる。 金属/誘電体多層構造の作製おいては、H19年度に電解メッキによってスラブ導波路の溝に銅を埋め込むことができたが、本年度は、無電解メッキ法を使ってより開口の狭い構造に銅を充填する方法を確立した。電解メッキ法では結晶粒の大きさを小さく制御することが容易でなく、事実上200nmの開口が限界であった。無電解メッキによって100nmの開口をもつ深溝構造に銅を充填することが可能になった。これにより、素子の作製プロセスの見通しが得られた。
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Research Products
(2 results)