2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気光学係数と圧電定数の相対的符号の決定及び電気光学係数の波長分散特性の測定
Project/Area Number |
19560038
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
滝沢 國治 Seikei University, 理工学部, 教授 (80327973)
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Keywords | 結晶光学 / 応用光学 / 電子・電気材料 / 計測工学 / 光デバイス |
Research Abstract |
(1)応力一定状態の電気光学結晶に電界を加えると、電気光学効果による屈折率変化と逆圧電効果による結晶長変化が同時に発生することを明らかにした。結晶中を伝搬する光の位相や位相差を計測するだけでは2つの物理現象を区別することができないため、2つの物理現象を併せた光学定数として、実効的電気光学係数rijEを提案した。これにより、電気光学効果は、真の電気光学効果、真の電気光学効果と光弾性効果を併せた応力一定状態の電気光学効果、および応力一定状態の電気光学効果に逆圧電効果を合わせた実効的電気光学効果の3層構造から成ることが明らかになった。 (2)実効的電気光学係数を高精度で測定できる多重反射干渉計測法を用いて、波長409nmから3390nmにわたってLiNb03結晶の実効的電気光学係数r13E,r33E,r22Eの波長分散特性を初めて測定した。これだけ広範囲にわたって電気光学係数を測定できたのは、多重反射干渉計測が、振動や空気の揺らぎなどに対する大きな耐震性と、レーザ、結晶、光検出器を1列に並べるだけで干渉計測できるという優れた利便性を有するためである。これほど広範囲に電気光学効果と波長の関係を測定した例はこれまで皆無であり、本測定結果は、今後のLiNbO3結晶の物性研究やデバイス設計に大きな役割を果たすと思われる。 (3)LiNbO3結晶のr51Eと圧電定数d15の相対的符号関係を決定する方法を考案するとともに、測定により両定数が同符号であることを明らかにした。この方法を用いると、これまで困難であった応力一定状態のr51の波長分散特性も測定可能となる。 (4)LiTaO3結晶の応力一定状態の電気光学係数r22と圧電定数d22の相対的符号関係を測定し、両者が異符号であることを明らかにした。
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Research Products
(11 results)