2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560040
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
雑賀 憲昭 Yonago National College of Technology, 米子工業高等専門学校, 教授 (10112012)
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Keywords | モンテカルロ計算 / 皮膚組織 / 近赤外分光 / グルコース / 主成分分析 / PLS回帰 / イオントフォレシス / 透明電極 |
Research Abstract |
モンテカルロ計算により、皮膚内部へ入射角を変化したとき、後方散乱光から近赤外光の侵入深さ、平均拡散距離、深さに対する偏光情報などを計算した。斜入射でも平均侵入深さは垂直入射より長く約0.5mmで平均拡散距離は2.1mm程度となった。表皮(<0.2mm)からの散乱は入射の元の偏光状態をかなり残しているが、真皮(0.2〜2mm)では偏光は殆どランダムになり、生体情報に必要な細胞間液に含まれる、イオン、グルコース、アルブミンなどは十分測定できることが分かった。手の甲について、斜入射角を変えたときの後方散乱光の情報が異なることや細胞間液内の水分の現われ方に大きな違いがあることを見出した。 次に細胞間液中に浮遊するイオンなどの吸収を検知するため、特にグルコースが溶けた場合を調べた。その結果、人体の溶解グルコース濃度付近(〜70mg/dl)では、ランバート・ベールの法則から外れて測定できないことが分かった。これは、水の水素結合によるクラスターが色々な結合状態を作り吸収が変化するためと推測された。これを回避するためマイクロバブルを照射して水素結合を切断し、バブル消滅後、水素結合が再構築される時間変化から、グルコース濃度を±25mg/dlの精度で測定できる方法を考案した。グルコースは大きな分子であり、水素結合のネットワークの構成時間がその量移動が異なるからである。 更に皮膚表面に弱い電圧を加えて内部のイオンを集めるためイオントフォレシスを行うため透明電極の開発を試みた。誘電体薄膜ZnOと銀薄膜Agで透過率90以上の透明薄膜を作成することに成功した。この膜ではサーフェイスプラズモンが励起でき、局在電場による増強を計られることも確認できた。
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