2007 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタ粒子とガス輸送過程を考慮した反応性スパッタプロセスモデルの構築
Project/Area Number |
19560048
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
中野 武雄 Seikei University, 理工学部, 助手 (40237342)
|
Keywords | 反応性スパッタリング / モデリング / 薄膜堆積プロセス |
Research Abstract |
スパッタ粒子の輸送過程・付着分布と、供給される反応性ガス装置内部における出支を含めて、反応性スパッタ製膜プロセスを理解する研究を進めている。具体的には、ターゲット表面の金属モード・化合物モード遷移と、堆積した薄膜の酸化状態を、実験及びシミュレーションから理解することを本申請研究の目的としている。平成19年度は以下のような実験・研究を行った。 ガス導入経路をターゲット近傍に備えたスパッタガンを新規に設計・制作し、現有のスパッタ装置に取り付けた。酸素ガスの導入位置を容器外壁からにした場合と、ターゲット近傍からにした場合の、酸素流量に対するモード遷移の様子をチタンターゲットを対象に計測した。わずかではあったが、ターゲット近傍から酸素を導入した方が、少ない酸素流量で酸化物モードへの遷移が起こることが確認できた。また対称性の良い系で実験データを得られることが確認でき、開発中のシミュレーションを円筒対称の系についてのみ考えれば良くなった。 コンパクトで装置各所に設置可能な膜厚モニタを4つ作製し、動作することを確認した。これによって、基板周辺だけでなく、製膜装置の真空容器内壁の各所の製膜速度を計測することが可能となり、反応性ガスのゲッタとなる金属の堆積の様子を観察できること確認された。本モニタのコントローラは、当初の計画の通り平成20年度に入ってから設計をすすめている。 シミュレーションコードとしては、これまで原子間の衝突を単純なBorn-Mayer型の指数関数の斥力ポテンシャルのみで扱っていたところを、非経験的分子軌道法計算プログラムであるGAMESSの出力結果を用いて散乱過程を扱えるようにプログラムを改訂した。これによって多様な原子・分子の組み合わせに対して散乱過程を扱えるようになった。
|
Research Products
(1 results)