2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560054
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
平野 馨一 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 准教授 (40218798)
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Keywords | X線 / イメージング / 位相コントラスト / 放射光 / 屈折 / アナライザ / CT |
Research Abstract |
角度分解X線イメージングは、試料によるX線の屈折をアナライザで検出することにより像を得る手法であり、従来の吸収を利用するX線イメージングより遙かに感度が高いという優れた特長を持っている。しかし、これまで角度分解X線イメージングで利用されてきたアナライザでは角度分解能が固定されていたため、一つの光学系で観察できる試料の種類が限られ、また、最適条件下で試料を観察することが困難だった。これらの問題を解決するため、分解能可変のアナライザを作成し、その性能評価を行った。 第一に、放射光X線を用いてアナライザの角度分解能を定量的に評価し、実験結果と計算結果を比較した。 第二に、放射光X線を用いて角度分解X線イメージング実験を行った。実験で用いた光学系はコリメータ、試料、分解能可変二結晶アナライザ、X線冷却CCDカメラ等から成っている。この光学系に入射した単色X線は、コリメータで平行化されると同時に拡大され、試料に入射する。この時、X線の進路は屈折などによって僅かに変化するので、それをアナライザで検出してX線CCDカメラ上に像を得る。二結晶アナライザのオフセット角Δθを変えると角度分解能が変化するので、分解能の変化による画像の変化をX線CCDカメラでリアルタイム観察し、試料毎に最適な角度分解能を求めた。その後、CT実験を行い、試料の吸収像、屈折像、位相像を算出した。 第三に、様々な生体試料や工業材料などの観察を行い、定量的解析を行った。特に吸収像と位相像を比較し、角度分解X線イメージングの特性に関する定量的知見を得た。
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