2010 Fiscal Year Annual Research Report
実対称固有値問題に対する多分割の分割統治法の発展と応用
Project/Area Number |
19560058
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
重原 孝臣 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60206084)
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Keywords | 応用数理 / 数値線形代数 / アルゴリズム / 実対称固有値問題 / 分割統治法 / ジョルダン標準形 / 特異値分解 / HPC |
Research Abstract |
本課題(平成19-22年度)では実対称固有値問題に対する多分割の分割統治法の発展・拡張(最適分割数の自動決定、特異値分解への応用、並列化)および特異な一般固有値問題への応用(数学的枠組・アルゴリズムの確立、クロネッカ基底の構成法の確立)を目的としてきた。今年度は本課題の最終年度に当たり、以下の成果を上げることで、研究期間全体として上記課題に対して十分な成果を上げたものと考えている。 1.前年度までに構築し、実装した多分割の分割統治法による特異値分解計算アルゴリズムの改良を進めた。特に、微小特異値に対する特異ベクトルの精度向上のための方法を検討した。研究成果はJSIAM Lettersに投稿し、採択された。 2.前年度までに構築し、実装したジョルダン基底計算アルゴリズムの改良を進めた。研究成果はJSIAM Lettersに投稿し、採択された。また、ブロックシューア標準形に対するジョルダン基底計算アルゴリズムの提案を行い、所与の行列に前処理を施しブロックシューア標準形に帰着後に提案法を適用することで、精度・性能の両面で改善が図られることを示した。研究成果は日本応用数理学会研究部会連合発表会で発表した。 3.多分割の分割統治法による特異値分解計算における最適分割数の決定に関して検討した。特に、減次率と最適分割数には密接な関係があることを示し、本計算に先立って簡単なベンチマークを実施して入力行列の減次率を推定することで、本計算の際に採用すべき分割数を入力行列に応じて推定できることを示した。研究成果は日本応用数理学会年会で発表した。
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Research Products
(4 results)