2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越塚 誠一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (80186668)
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Keywords | 粒子法 / 弾塑性 / MPS / 有限変形 / 非圧縮性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、粒子法を用いて有限変形を伴う弾塑性解析手法を開発することである。 粒子法は、従来の有限要素法や差分法と比較して格子が不要であるという特徴があり、界面の複雑な挙動に対して格子がゆがむというような問題を生じない。さらに、粒子は物質とともに移動するラグランジュ法であるので、界面での数値拡散も生じない。本研究代表者は、MPS (Moving Particle Semi-implicit)法と名づけた粒子法を開発し、流体解析、弾性解析および塑性解析の計算手法について提案をおこなった。そこで本研究では、粒子法を用いた有限変形を伴う弾塑性解析手法を研究する。具体的には、(1)有限変形における剛体回転成分を除去する方法の検討、(2)大変形における非圧縮条件を扱うアルゴリズムの検討、(3)数値安定性を保つ方法の検討、および、(4)上記の検討に基づいた有限変形を伴う粒子法弾塑性解析手法の開発、を実施する。 平成19年度は、以下研究をおこなった。 (1)有限変形における非線形な剛体回転を除去する方法の検討 最小二乗法を用いて粒子位置で変形勾配テンソルを求め、さらにこれに基づいて幾何学的大変形に用いることのできる歪テンソルを導出する方法を用いた。この場合、変位と歪がともに粒子位置に配置されるため、数値不安定が生じるが、これを防ぐ方法を開発した。開発した方法で大変形の解析をおこない、本手法が有効であることを示した。 (2)大変形時の非圧縮性を計算するアルゴリズムの検討 上記の計算手法に、さらに非圧縮性条件を導入し、Mooney-Rivlinの構成式に従う非圧縮超弾性体の計算をおこなった。RATTLE法はSMAC法と同様に、分離型の半陰的なアルゴリズムであるが、シンプレクティック性を有し、全エネルギーの保存性に優れている。全エネルギーの保存性は、動的な構造解析では重要である。
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Research Products
(2 results)