2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560060
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越塚 誠一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (80186668)
|
Keywords | 粒子法 / 弾塑性 / MPS / 有限変形 / 非圧縮性 / 破壊 |
Research Abstract |
本研究の目的は、粒子法を用いて有限変形を伴う弾塑性解析手法を開発することである。 粒子法は、従来の有限要素法や差分法と比較して格子が不要であるという特徴があり、界面の複雑な挙動に対して格子がゆがむというような問題を生じない。さらに、粒子は物質とともに移動するラグランジュ法であるので、界面での数値拡散も生じない。本研究代表者は、これまでMPS(Moving Particle Semi-implicit)法と名づけた粒子法を開発し、流体解析、弾性解析および塑性解析の計算手法について提案をおこなった。本研究では、粒子法を用いた有限変形を伴う弾塑性解析手法を研究した。平成20年度は、次の2つの研究をおこなった。 (1)構造解析粒子法における数値不安定の回避方法の研究数値安定性におけるTensile InstabilityとZero Energy Mode Instabilityの両方を回避するために、弾性解析では粒子間でひずみをベクトルとして評価し、塑性解析では粒子位置でひずみをテンソルとする方法を使い分けることとした。 (2)有限変形を伴う粒子法弾塑性解析手法の検証原子力における核燃料貯蔵用キャスクの地震解析、および、輸送用キャスクの落下解析をおこなった。地震解析では、神戸波を入力としてコンクリートを弾性体、鋼鉄を剛体として連成解析おこない、変位や傾き角の大きさに関して妥当な解が得られた。落下解析ではフィンの塑性変形のモードが、落下時にフィンが地面となす角度によって決まり、実験とのほぼ定量的な一致を得た。 平成19、20年度を通じて、MPS法に基づく弾性解析手法および塑性解析手法を確立するとともに、核燃料の貯蔵用および輸送用のキャスクの解析に適用し、その有用性を示した。
|