2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉原 正顯 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80154483)
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Keywords | 数値計算 / Sinc法 / DE変換 / 数値積分 / 関数近似 / 特異摂動問題 / 共役勾配法 |
Research Abstract |
DE-Sinc法に関連する以下の3つの成果を得た:(1)DE-Sinc関数近似法やDE積分公式が有効になる関数族の明確化従来,Sinc数値計算法においては,SE変数変換を用いた方法に関しては,その手法が有効となる関数族がStenger等にとって明確にされていた.これに対して,DE変換を用いた方法に関しては,これまで明確とは言えない状況が続いていた.これに対して,本研究では,DE-Sinc関数近似法やDE積分公式が有効,つまり,誤差がexp(-cn/log(n))のオーダーで減衰する関数族を明確にした. (2)特異摂動2点境界値問題に対するDE-Sinc法提案特異摂動2点境界値問題に対して,Stenger等によってSinc法が提案され,その誤差がexp(-c√n)のオーダーであることが示されていた.本研究では,変数変換をDE変換に代えることによって,誤差のオーダーがexp(-cn/log(n))に改良できること数値実験を通して示した.従来の数値計算法では解が端点特異性を持つ場合,その性能が極端に落ちるが.本法ではそのような性能の劣化は起きない. (3)線形方程式系の数値解法,GIDR(s,L)法の提案,偏微分方程式にSinc法を適用する場合,大規模な疎な係数行列をもつ線形方程式系を解く必要が生じる.2008年に,線形方程式系の数値解法として非常に性能のよいIDR(s)という方法が提案された,しかしながら,係数行列が歪対称に近い場合には性能が極端に落ちることも報告されていた.我々は安定化多項式の次数を上げて,これに対処できるGIDR(s,L)を提案し,数々の数値実験によってその有効性を実証した.
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Research Products
(4 results)