2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉原 正顯 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80154483)
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Keywords | 数値計算 / Sinc法 / DE変換 / 積分方程式 / 常微分方程式の初期値問題 / 線形方程式系の数値解法 |
Research Abstract |
DE-Sinc法に関運する以下の3つの成果を得た: (1)第二種積分方程式に対するSinc数値計算法の厳密理論誤差解析 第二種積分方程式に対するSinc数値計算法(Sinc-Nystroem法,Sinc選点法)がRashidinia-Zarebnia(SE変換の場合)やMuhammad et al(DE変換の場合)によって提案され,非常に高精度であることが数値実験を通して示され,誤差の理論解析も行われてきた.しかしながら,それらの理論においては(1)未知関数に対する仮定,(2)積分方程式を離散化して得られる線形方程式系に関する仮定が含まれており,厳密な意味での理論解析とは言い難い面があった.これに対して,本研究ではこれらの仮定を必要としない厳密な誤差評価を与えた. (2)常微分方程式の初期値問題に対する様々なSinc数値計算法の比較検討 常微分方程式の初期値問題に対するSinc数値計算法として様々なものが提案されたきた(Carlson et al.,Stenger,Nurmuhammad et al.による).本研究においても,新たなSinc数値計算法を提案し,数値実験を通して,その比較検討を行った. (3)線形方程式系の数値解法,GBi-CGSTAB(s,L)法の改良 前年度,線形方程式系の数値解法として非常に性能のよいGBi-CGSTAB(s,L)法を提案した.しかしながら,s,Lが大きい場合には偽収束(アルゴリズムが生成する残差は小さいにも関わらず,真の残差は小さくない状況)が起こることが分かってきた.そこで,IDR(s)法において偽収束を防ぐ手法として櫻井等によって提案された手法を,我々の場合に拡張し,数値実験を通して偽収束を防ぐことができることを示した.
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Research Products
(4 results)