2009 Fiscal Year Annual Research Report
多項式計画問題とその拡張に対する効率的かつ頑健な解法に関する研究
Project/Area Number |
19560063
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
村松 正和 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (70266071)
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Keywords | 錐線形計画問題 / 面的削減 / 錐的拡大 / 半正定値計画問題 / 数値的安定性 / 多項式最適化問題 |
Research Abstract |
多項式計画問題に対する半正定値計画緩和問題は、数値的に不安定になりやすく、これを解くための内点法が不可思議な振る舞いを見せることが、前年までに発見されていた。このとき挙げられた例題に関して、「錐の面的削減」のテクニックを用いて、数値的に不安定だった半正定値計画問題を安定な問題に帰着させることが可能なことを明らがにした。「錐の面的削減」は、凸錐を次々と部分空間に射影していくことで、もともと内点許容解を持たない錐計画問題を、内点許容解を持つ別の錐計画問題に変換する技術である。これにより、「錐の面的削減」のテクニックが、半正定値計画問題の数値的安定性を増大させる事が示唆される。さらにこの「錐の面的削減」に関する研究を進め、一般の凸錐に対する面的削減のアルゴリズムを提案し、収束を証明するとともに、その特殊なバージョンがLuo, Sturm, Zhangらの「錐的拡大アプローチ」の双対となっていることを明らかにした。一般には、「錐的拡大アプローチ」に比べて「面的削減」の方が自由度が大きく、細かな制御が可能であることもわかった。また、「錐の面的削減」のテクニックを用いて、疎な多項式最適化問題に対して、変数の少ない半正定値緩和が可能なことを示した。これは、部分的には従来知られている技法と一致するが、さらに変数を削減できる可能性を示唆する。面的削減に関しては未だ研究中であるが、ここまでの結果はとりあえず論文にし、投稿中である。
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Research Products
(5 results)