2007 Fiscal Year Annual Research Report
カノニカルな非一様性乱流の高精度・高解像度大規模直接数値計算法の開発
Project/Area Number |
19560064
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石原 卓 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10262495)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 行雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10107691)
石井 克哉 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 教授 (60134441)
芳松 克則 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70377802)
|
Keywords | 非一様性乱流 / 大規模直接数値計算 / Sinc関数 / 結合コンパクト差分法 / スペクトル法 |
Research Abstract |
本研究では、カノニカルな乱流場として重要な、乱流境界層及び乱流混合層等に対して、近年高精度・高解像度な数値解法として注目されている、Sinc関数展開法と結合コンパクト差分法を用いた乱流DNSコードを各々実装・最適化し、それらの結果と性能を従来手法と比較・検討を実施する。それにより、スーパーコンピュータ上でカノニカルな乱流場の高精度・高解像度な超大規模DNSを実現するための最適な方法を明らかにし、超大規模DNSを実現することを目的とするものである。 19年度の研究により得られた成果は以下の通りである。 (1)いくつかの数値実験を行い、精度・解像度及び効率を解析した結果、平行平板間乱流においては、従来手法であるフーリエ・チェビシェフタウ法が優れていることが分かった。 (2)Sinc関数ガラーキン法を用いた乱流境界層のDNSコードの開発を実施した。開発したコードによる計算結果を従来手法であるJacobi関数展開を用いたものと比較し、結果の妥当性を検証したほか、新しく開発したコードが従来手法より、壁方向の格子点数が増すほど高速であることを確認した。 (3)いくつかの数値実験を行った結果、格子点数が同程度の場合、結合コンパクト差分法より、Sincガラーキン法を用いた手法のほうがより高精度を実現できることが分かった。 以上の成果により、今後、非一様性乱流の超大規模直接数値計算を実施するための手法の特徴が明らかとなり、方向性が定まったといえる。本研究は、計算アルゴリズムや大規模計算手法を駆使して、従来解明することが困難であった乱流現象を第一原理的に計算科学的手法により解明するための重要なステップとして位置づけることができ、その研究成果は重要であると考えられる。
|