2008 Fiscal Year Annual Research Report
零相関範囲と低ピーク値を持つ系列セットの生成法と応用の研究
Project/Area Number |
19560069
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
林 隆史 The University of Aizu, コンピュータ理工学部, 教授 (20218580)
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Keywords | 系列設計 / 疑似白色雑音 / 零相関系列セット / 低ピーク比系列 / 計測工学 / 差集合 / 完全系列 / 相補系列 |
Research Abstract |
零相関範囲系列生成方法及び生成された系列の通信、計測などへの応用について検討を行っている。 零相関範囲系列とは、i)セットのどの系列についても、自己相関関数が位相差の絶対値が1以上Z以下で、常に0となる。ii)セットのどの系列の対についても、相互相関関数が、位相差の絶対値がZ以下で、常に0という二つの条件を満たす系列のセットである。 零相関系列についていは、以下の課題が残っている: 1)零相関範囲系列の生成可能な長さ、本数、零相関範囲の広さ以外の数理的性質は詳細が明らかにされていないこと。 2)零相関範囲の外に相関関数が持つピークの抑制が応用面で強く要求されているものの、零相関範囲外のピーク小さく抑える方法について未解明の点が多いこと。 3)新規系列生成方法の開発につながるような汎用的数理的条件などが明らかになっていないこと。 4)系列生成方法ごとに、生成できる系列の本数や長さに制限があり、応用上の障害となっていること 5)零相関範囲系列を用いた通信・計測システムの性能向上に関する検討が不足していること。 本課題では、これらの問題の解明を目的に検討を行っている。 本年度は1)完全系列を用いたZCZ系列の生成方法の一般化と改良についての新たな知見をうることができた。2)相補系列と完全系列を用いた零相関範囲系列構成方法の一般化及び改良についての成果をあげることができた。3)完全系列を用いた零相関範囲系列について、 CDMAへの応用方法とその性能評価を行うことができた。4)疑似白色雑音系列を用いた零相関範囲系列の新しい生成方法を開発することができた。これらの成果の一部は論文等で発表し、残りは論文作成中である。
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