2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ界面構造最適化のための実空間有限要素法による第一原理計算の高度化
Project/Area Number |
19560073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 暢宏 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (70230696)
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Keywords | 第一原理計算 / 実空間法 / 異材界面 / 大規模原子シミュレーション / 並列計算 / 高次有限要素解析 |
Research Abstract |
実空間法により大規模第一原理計算を実施することを目標として,有限要素基底関数および要素メッシュの高度化を通じた高速第一原理計算手法の開発を行った.スペクトル要素法に基いた高次要素による実空間第一原理計算を実施し,基底関数の次数と誤差,および計算時間の相関について調査を進めた.スペクトル要素法を用いることにより,高次の基底関数の生成が容易となった.その結果から,高次要素を用いることにより従来の低次要素に比して少ない自由度数で高精度解が得られ,計算が高速化されるという興味深い知見を得た.更に,自由度数の増加と誤差減少傾向が要素次数を用いてシステマティックに関係付けられることを3次元解析において確認した.以上の知見を元に,セレンディピティ4次要素を実空間第一原理計算プログラムに実装した.セレンディピティ4次要素はスペクトラル要素法に比して少ない自由度で4次の基底関数が得られる一方で,構造解析を含めた有限要素法の応用計算の中でほとんど用いられていない,実装はRathodらによる定式を修正して行った。計算はT2Kオープンスパコンと同様のアーキテクチャを持つPCクラスタ並列環境において行われた.シリコン分子,アルミニウム108個からなるfcc結晶等の応用計算を通じて,4次要素と低次要素による結果を比較し,4次要素の有用性を確認した.更に,セラミックス界面上での実証試験を行い,カービンググリッド法との親和性を確認した.
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