2007 Fiscal Year Annual Research Report
接触型SH波線集束探触子によるき裂寸法測定の高精度化
Project/Area Number |
19560076
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 裕嗣 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90193606)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 非破壊検査 / 超音波 / モニタリング |
Research Abstract |
設備・機器に生じた損傷・劣化の検出・評価において,超音波探傷による非破壊検査は最も基本的な技術であり,中でもTOFD法によるき裂の寸法測定は広く普及している.TOFD法では通常は縦波が利用されるが,縦波に代えてSH波を用いれば超音波のモード変換が生じず,検出される超音波波形が複雑にならないため,き裂の寸法測定精度の向上が期待される.そこで本研究では,SH波を利用したTOFD法によるき裂の寸法測定の確立を目的として,これに適するSH波探触子の開発を目指して研究を行っている. 平成19年度においては,過去数年間にわたる縦波線集束探触子の開発と応用に関する研究成果を踏まえて,SH波線集束探触子を試作・評価することにより,TOFD法への適用の可能性を検討した. (1)SH波線集束探触子を試作し,TOFD法への応用において特に重要となる指向性の評価を行い,探触子の前面方向に期待通りの指向性を有していることを確認した.この指向性の評価結果については,国内学会で公表した. (2)試作したSH波線集束探触子を用いてTOFD法によるき裂寸法測定の実験を行い,TOFD法への適用の可能性を調査したが,き裂先端からの回折波を検出するには至らなかった. (3)(2)の原因を考察した結果,探触子の基本的感度が低いこと,および,予期していなかった不要な方向(探触子の横方向)にも超音波が励起されることが原因であると推察した. (4)(3)の考察結果を確認するために,SH波線集束探触子による超音波励起の数値シミュレーションを実施した.ただし,結果は未だ明確ではない. (5)(4)とは別に,探触子の改良について検討を行った.ただし,試作には至っていない.
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