2008 Fiscal Year Annual Research Report
接触型SH波線集束探触子によるき裂寸法測定の高精度化
Project/Area Number |
19560076
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 裕嗣 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90193606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 悠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40513461)
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Keywords | 非破壊検査 / 超音波探傷 / TOFD法 / き裂 / 回折波 |
Research Abstract |
設備や機器の部材に生じる損傷や劣化の検出・評価において,超音波非破壊検査は最も基本的な技術であり,中でもTOFD法によるき裂寸法測定は広く普及している.通常のTOFD法では縦波が利用されるが,縦波に代えてSH波を用いれば超音波のモード変換が生じず,検出される超音波波形が複雑にならないため,き裂の寸法測定精度の向上が期待される.本研究では,SH波を利用したTOFD法によるき裂の寸法測定の確立を目的としてSH波探触子の開発を目指し,次の2点に焦点を絞って研究を遂行した. ・ SH波線集束探触子を試作・評価し,改良を重ねることにより探触子の高性能化を図る. ・ 試作したSH波線集束探触子をTOFD法に適用し,通常のTOFD法に用いられている縦波斜角探触子および開発済みの縦波線集束探触子と比較して,き裂の寸法測定精度の向上を検討する. 本研究の結果,以下の成果を得た. (1) SH波線集束探触子を試作してTOFD法に適用した結果,直接到達波およびき裂先端回折波が確認され,TOFD法に適用可能であることを確認した.ただし,探触子の感度が低く,縦波線集束探触子と比較して高精度なき裂寸法測定を達成するには至らなかった. (2) 超音波のモード変換を回避するための別の方策として,試験体と同材質のくさびを用いた縦波線集束探触子を試作してTOFD法に適用した結果,TOFD法において障害となるRayleigh波の発生が抑制され,従来の縦波線集束探触子よりもTOFD法に適していることを確認した. (3) SH波線集束探触子および縦波線集束探触子によるTOFD法に関する数値シミュレーションを行い,これらの探触子の改良を要する項目を抽出した. (4) 以上の結果を踏まえて,特に感度の向上を目的として,反射型のSH波線集束探触子を考案した.
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