2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子論的シミュレーションによる半導体ナノワイヤの成長機構と力学的特性の解明
Project/Area Number |
19560077
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
新谷 一人 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (00162793)
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Keywords | 一次元ナノ構造 / ナノワイヤ / VLS成長 / クラスター / コアシェル / 積層 / ヤング率 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
(1)VLS成長機構において触媒として重要な役割を果たすクラスターの特性解析を行った。2個のクラスターの合体によるバイメタルクラスターの形成過程の解析を行い、クラスターの合体前の大きさと温度を系統的に変化させて合体後の形態を詳細に調べた。その結果、温度が高ければ2種の元素の原子がランダムに混ざりあう合金クラスターが、温度が低ければ合体が初期段階で停止するエピタキシャルクラスターが形成されること、コアシェルクラスターは、2種の元素の格子定数の差が大きくかつ合体前のクラスターの大きさがある程度小さくなったときに形成されるナノスケールに特有な構造であることが分かった。 (2)Ge(コア)/Si(シェル)ナノワイヤとGe/Si軸方向積層型ナノワイヤの引張特性を詳細に調べた。その結果、Ge(コア)/Si(シェル)ナノワイヤの軸が<111>方向の場合、Ge分率の値が約0.5を境としてヤング率の変化の傾向が異なるのは表面構造の違いに起因すること、Ge(コア)/Si(シェル)ナノワイヤの軸が<110>方向の場合には表面構造の違いは観察できず、このことがほぼすべてのGe分率の範囲でヤング率がVegard則に従う理由となっていることが分かった。次に、Ge/Si軸方向積層型ナノワイヤに対して引張シミュレーションを行い、<110>方向の軸を持つナノワイヤより<111>方向の軸を持つナノワイヤの方が大きいヤング率を示すことが分かった。
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Research Products
(7 results)