2008 Fiscal Year Annual Research Report
キャビテーション減肉評価技術の確立と耐キャビテーション被覆材料の開発
Project/Area Number |
19560083
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
服部 修次 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (00143933)
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Keywords | キャビテーション / Ti-Ni形状記憶合金 / 硬さ |
Research Abstract |
キャビテーション壊食は,水車,ポンプなどの流体機械をはじめ,多くの産業機械や部材で流体が接している個所に生じている. 現在,耐キャビテーション壊食性に優れた工業材料としてコバルト基合金のステライトが原子力プラント用の部材として使用されている.しかし,ステライトを使用する場合には,コバルトが原子炉中に流出し,放射線を受けると放射化してプラント内の放射線量を増加させるという問題がある.そこで,コバルトを含まない耐キャビテーション壊食性に優れた代替材料が望まれている.本研究室では,Ti-Ni形状記憶合金の耐キャビテーション壊食性が非常に優れていることを報告している.しかし,Ti-Ni形状記憶合金は非常に高価で,成形加工が困難であるために構造材料として難点がある.そこで,Ti-Ni合金を表面被覆である肉盛材料として用いることを検討した.本研究では,ステライトに代わる肉盛材料としてTi-Ni肉盛材料を使用しキャビテーション壊食試験を行った.Ti-Ni肉盛材の下地として下地材Niを2mm施した試験材料を,8°傾け加工した試験片を用いて壊食試験を行い,壊食特性を検討した. その結果,下地材NiがTi-Ni肉盛材料に影響を及ぼすのは,下地材NiとTi-Ni肉盛材料の境界部分から約0.5mmの範囲であり,境界部分から離れるほど耐壊食性が向上することが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)