Research Abstract |
四角形容器(塩ビ製,縦40cm×横30cm×高さ20cm)にランダム充填した球の集合体を粉粒体モデルとして用い,その上表面の中心に球状飛翔体を衝突させ,クレーター形成の挙動を,二台の高速度ビデオカメラ(側面からと上方から)による撮影および三次元離散要素法によるシミュレーションにより,詳細に調べた。平成19年度は,密度,直径の影響を調べるために,粉粒体の球に,プラスチック球(直径6mmで0.12g,0.25g,0.33g)およびガラスビーズ(直径1.7mm)を用い,飛翔体として,鋼球(直径9mm,11.1mm,12mm)および直径11.1mmのアルミナセラミックス球,真鍮球を用いた。 粉粒体表面のクレーター形成のメカニズムを詳細に調べるために,飛翔体の衝突速度(1〜25m/s)と衝突角度(0°〜65°)も変化させた。その結果,衝突速度にほとんど関係することなく,衝突角度と共に,飛翔体は粉粒体への貫入から,跳ね返りに遷移していき,その遷移域付近に,飛翔体が粉粒体の表面に沿って水平に進む現象が生じる角度領域が存在した。そこで,飛翔体と粉粒体を構成する粒子の直径比と密度比を用いて,その遷移角度に関する実験式を提案した。一方で,飛衝突後の飛翔体の挙動(貫入もしくは跳ね返り)とクレーターの形には密接な関係があったが,飛翔体と粉粒体の密度比が大きくなると,衝突角度がクレーター形状に与える影響が明確になり,密度比が小さくなると影響は明確ではなくなった。また,飛翔体が貫入した場合,衝突角度が最終的なクレーターの大きさに与える影響はあまり大きくなく,過渡的なクレーターの大きさには影響を与えることが,離散要素法シミュレーションから分かった。
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