2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子構造制御による生体吸収性高分子系複合材料の破壊特性改善に関する研究
Project/Area Number |
19560093
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東藤 貢 Kyushu University, 応用力学研究所, 准教授 (80274538)
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Keywords | 生体吸収性材料 / 無機有機複合材料 / 破壊靭性 / 多孔質体 / 細胞接着性 |
Research Abstract |
平成20年度の研究成果は以下の3つに大別できる. (1)生体吸収性HA/PLLA複合材料の分子鎖配向による破壊特性の向上 熱可塑性高分子材料では,分子鎖を一定方向に配向させることで,その方向に垂直な方向には破壊特性が大きく改善されることが知られている.通常,熱を加えて延伸させることで分子鎖配向が達成れるが,ハイドロキシアパタイト(HA)微粒子を分散させたポリL乳酸(PLLA)の揚合,単純な延伸では破断してしまうため特殊な方法が必要である本研究では試料を加熱しプレスすることで1軸と2軸の2種類に分子鎖配向が可能となる手法を開発し,破壊特性が大幅に改善されることを示した. (2)LTI添加によるHA/PLLA複合材料の界面分子構造の制御と破壊特性の改善 HA粒子とPLLAを加熱混合する際にリジントリイソシアナート(LTI)を微量添加することで,HAとPLLAに存在する水酸基とLTIのイソシアナート基が反応しウレタン結合を生じる.また,この反応はPLLA分子同士を結合させ架橋構造を生じさせる.その結果,HAとPLLAの界面結合ならびにPLLA同士の結合も強固になり破壊特性の向上が可能となることを見出した. (3)PLLA多孔質体の創製と圧縮特性・細胞接着性の評価 生体吸収性PLLAの再生医療への応用を目指して,固液相分離法と凍結乾燥法を用いてPLLA多孔質構造の作製を試みた.その結果,PLLAを溶媒に溶かす濃度により空孔のサイズの制御ひいては圧縮特性の制御が可能であることを見出した.さらに,骨芽細胞様細胞を播種し増殖させることでPLLA多孔質構造表面での細胞接着性を確認した.
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Research Products
(7 results)