2008 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金の温度応答性向上技術の構築と3次元位置制御システムの試作
Project/Area Number |
19560095
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐久間 俊雄 Oita University, 工学部, 教授 (10371303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆栄 大分大学, 工学部, 助教 (20295166)
長 弘基 大分大学, 工学部, 助教 (00435421)
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Keywords | 形状記憶合金 / アクチュエータ / 二方向形状記憶 / 電気抵抗特性 / 加工率 / 予ひずみ / 位置制度 / 制御速度 |
Research Abstract |
本研究は,「SMA素子の温度応答性向上技術」を構築し,「抵抗値制御によるSMAアクチュエータの3次元位置制御システムの基盤技術」を確立することを目標に,平成20年度は,形状記憶合金の温度応答性および機械的特性向上の観点から,変態温度ヒステリシス,変態・逆変態開始-終了温度差および機械的特性に及ぼす時効の影響について調べた,さらに,形状記憶合金の二方向性ひずみ特性に及ぼす時効の影響についても調べた.また,抵抗値制御によるSMAアクチュエータの位置制御特性の向上のため,形状記憶合金の電気抵抗特性に及ぼす変態および時効の影響について調べた.さらに,抵抗値制御によるSMAアクチュエータを用い,その動特性および位置制御特性に及ぼす制御距離および電流値の影響について調べた.得られた成果を以下に要約する. (1)Ti-Ni-Cu合金の変態温度ヒステリシスは時効による影響は少ないが,変態,逆変態開始-終了温度差は時効により減少することを明らかにした (2)Ti-Ni-Cu合金の二方向性ひずみは時効時間の増加にともない減少することを明らかにした.また二方向ひずみは引張試験により導入される塑性ひずみ量に依存することを明らかにした. (3)Ti-Ni-Cu合金の電気抵抗値は,相変態した部分の体積分率によって決定することを明らかにした.また電気抵抗値は時効により金属中に拡散する酸素の影響を強く受けることを明らかにした. (4)抵抗値制御によるSMAアクチュエータは,制御距離および電流値の増加にともない動特性が向上することを明らかにした.また位置保持特性は,制御距離には影響を受けないが,電流値の増加に伴い低下することを明らかにした.
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Research Products
(12 results)