2008 Fiscal Year Annual Research Report
中間層の挿入による異種高分子材料の新しい接合技術の開発
Project/Area Number |
19560097
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
きゅう 建輝 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 教授 (40244511)
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Keywords | 高分子材料 / 中間層 / 超音波接合 / 界面構造 / 接合強度 |
Research Abstract |
これまでの異種材料の接合は接着剤を用いる方法しかないようである。しかし、接着剤は耐久性、耐熱性及び毒性、環境ホルモンなどの問題が存在している。そこで本研究では異種高分子材料を直接接合するために,中間層シートを挿入する新しい超音波接合方法を開発した。本年度では試験片の作製および界面構造の解析・溶着強度の評価などは基本的に前年度と同様な方法で行い、また、前年度の試験結果を利用して、溶着強度の向上に最も効果的な接合条件を用いて重点的に検討した。その結果は次の通りである。 (1).超音波振動振幅はホーン、試料ホルダー、中間層シートの順に低くなることがわかった。 (2).ポリカーボネート(PC)とアクリル樹脂(PMMA)を用いて3層からなる傾斜配分シートを作製して超音波溶着接合を行い、その傾斜配分シートの有効性を確認した。 (3).超音波振動時間および接合圧力の増加により、接合強度が向上するが、あまり長時間と高い圧力になると、中間層シートが破壊され、健全な接合界面が形成しにくく、接合強度が逆に低下する。 (4).本研究の接合条件下では、PC/PMMAの溶着強度は傾斜配分シートを挿入しても、40MPa以上に達することができる。 (5).接合界面部に存在している内部欠陥(気泡)および微小の未接合面は破壊の亀裂源となるので、接合強度に大きな影響を与えている。したがって、より高い溶着強度が得られるには健全な接合界面の形成および傾斜配分シートの強度向上が最も重要である。 現在、溶着体の疲労強度に及ぼす環境温度の影響を検討しており、また、各種材料の接合体も作製できたので、これから引き続き、疲労特性を検討する予定である。
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Research Products
(6 results)