2007 Fiscal Year Annual Research Report
強化材予混合金属射出成形法による鋳造欠陥の低減と強度特性の向上
Project/Area Number |
19560098
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
尾崎 公一 Okayama Prefectural University, 情報工学部, 准教授 (20224206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 忠生 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (20423965)
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Keywords | 流動長 / 流動時間 / 吸引式流動性試験 / アルミニウム合金 |
Research Abstract |
本年度は、溶湯の取り扱いが容易なアルミニウム合金(ADC12)を使った実験を行い、計測法の確認を行うと共に、流動長に及ぼす諸因子の効果を検討した.まず初めに、溶融金属の流動性実験に先立って、透明アクリル性の流路を用いて着色水による可視化実験を行った.水流先端位置の時間変化は、重力、粘性力および慣性力の効果を考慮した数値解析結果とほぼ一致した.次いで、矩形状の鋼(SKD61)製流路により、アルミニウム合金の流動性試験を行った.実験パラメータとして溶湯過熱度、吸引圧力、流路厚さを種々変化させ、流動長に関するデータを得た.また吸引時間(弁開放時間)を種々に変化させ、弁閉鎖後の流路内の圧力変化挙動から溶湯が凝固しているか否かを判定する方法を提案し、凝固時間に関するデータも得た.鋳込み後の試験片形状を観察したところ、先端部には細く伸びた充填の不十分な領域が存在した.先端までの全流動長は、吸引圧力の概ね0.5乗に比例して長くなるが、十分に溶湯が充満する領域の長さは、ある吸引圧力以上でほぼ一定となった.流動長の流路肉厚への依存性は、従来の経験式にほぼ一致していたが、溶湯温度への依存性は本実験の方が顕著であった.凝固時間は、流路肉厚の減少に伴って短くなった.また凝固時間は、吸引圧力の増加に伴い短くなった.さらに、離型剤濃度を変化させたところ、高濃度では流動長が著しく伸びることが確認された.本研究対象である強化材を予め混合した溶融金属は流動性が低いと予想され、本年度はその鋳造性を高めるための基礎データを得ることが出来た.
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