2007 Fiscal Year Annual Research Report
薄板材料の塑性加工における材料破断(材料分離)の解析
Project/Area Number |
19560102
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
小森 和武 Daido Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10178379)
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Keywords | 塑性力学 / 延性破壊 / バーリング加工 / 有限要素法 / 微視的モデル |
Research Abstract |
本年度は研究期間の初年度であるため,実験装置を製作して実験を行った.すなわち,代表的な板材成形加工法の一つであるバーリング加工により材料破壊を評価した.特に,圧延加工により予ひずみを与えることにより,予ひずみが材料破壊に及ぼす影響を実験的に明らかにした. 実験で用いた材料は,厚さが1.0mm,2.0mm,3.0mmの冷間圧延鋼板SPCC,厚さが1.0mm,1.5mm,2.0mmのステンレス鋼板SUS304,厚さが1.0mm,2.0mm,3.0mmのアルミニウム板A5052,厚さが1.0mm,2.0mm,3.0mmの銅板TCuである.焼鈍したA5052とTCu及び圧延ままのSPCCとSUS304を実験に用いた.厚さが1mmでない板を厚さが1mmになるように圧延することにより,板に予ひずみを与えた. 試験片の厚さは1.0mm,外径は85mm,内径は9mmである.ここで,ドリルにより試験片に内径8mmの穴を空けた後に内径9mmの穴を空けた.新たに製作した先端の頂角が45度である円錐型ポンチを用いて,バーリング加工を行った.そして,材料が破壊した時の材料内径を加工前の材料内径で割ることにより,穴広げ率を求めた. 1.全ての材料において,初期板厚が大きくなるほど,すなわち予ひずみが大きくなるほど穴広げ率は減少した. 2.予ひずみの増加に対して穴広げ率が減少する割合は,材料に依存した. 3.圧延ままの材料において,予ひずみの大きさが等しいとき,初期圧延方向と垂直方向に実験室で圧延した場合の穴広げ率は,初期圧延方向と平行方向に実験室で圧延した場合の穴広げ率よりも大きかった.
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