Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き実験を行った.すなわち,代表的な板材成形加工法の一つであるバーリング加工により材料破壊を評価した.特に,圧延加工により予ひずみを与えることにより,予ひずみが材料破壊に及ぼす影響を実験的に明らかにした. 実験で用いた材料は,厚さが1.6mm,2.3mm,3.2mmの熱間圧延鋼材SPHC,厚さが1.0mm,11,5mm,2.0mmのステンレス鋼板SUS430,厚さが1.0mm,2.0mm,3.0mmのアルミニウム板A1050,厚さが1.0mm,2.0mm,3.0mmの黄銅板C2801である.焼鈍したA1050とC2801及び圧延ままのSPHCとSUS430を実験に用いた.厚さが1mm(SPHCでは1.6mm)でない板を厚さが1mm(SPHCでは1.6mm)になるように圧延することにより,板に予ひずみを与えた. 試験片の厚さは1.0mm,外径は85mm,内径は9mmである,新たに製作した先端の頂角が45度である円錐型ポンチを用いて,バーリング加工を行った.そして,材料が破壊した時の材料内径を加工前の材料内径で割ることにより,穴広げ率を求めた. 1.全ての材料において,初期板厚が大きくなるほど,すなわち予ひずみが大きくなるほど穴広げ率は減少した 2.予ひずみの増加に対して穴広げ率が減少する割合は,材料に依存した. 3.圧延ままの材料において,予ひずみの大きさが等しいとき,初期圧延方向と垂直方向に実験室で圧延した場合の穴広げ率は,初期圧延方向と平行方向に実験室で圧延した場合の穴広げ率よりも大きかった.
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