2008 Fiscal Year Annual Research Report
アレー型超音波センサーによる射出成形金型内樹脂温度分布の測定
Project/Area Number |
19560109
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西脇 信彦 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90016626)
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Keywords | アレー型超音波センサー / トレーサ / 射出成形 / 温度分布 / 冷却挙動 / 成形条件 |
Research Abstract |
平成19年度の基礎的研究に引き続き,平成20年度は,アレー型超音波センサーとトレーサを利用した樹脂内部の温度分布測定について,以下のような実験を行い検討した.(1)種々の成形条件で射出成形加工を行い,トレーサ間の音速をその距離と時間間隔から算出し,温度-音速の関係から,温度分布を求め,充填終了後の樹脂内部の温度分布に与える成形条件の影響を調べる.(2)樹脂冷却挙動として単発超音波送受信子で固化層の発達挙動を測定し,成形条件が固化層発達に及ぼす影響について検討し,アレー型超音波センサーで測定された樹脂内部の温度分布と比較・検討する.これらの実験を行った結果,次のような結果が得られた.(1)溶融樹脂が金型キャビティ内を流動する速度が速いと,充填終了後の樹脂内部の温度は金型壁面付近が高くなり,温度分布は比較的平坦となる.これは,溶融樹脂が金型キャビティ内を流動するときに金型表面と流動する樹脂間で発生するせん断発熱が,流動速度が速いほど大きくなるためと考えられる.また,速度が遅いと流動中に奪われる熱量が多いためと考えられる.(2)固化層発達挙動に与える成形条件の影響を調べた結果,溶融樹脂の流動速度が速いと固化層の発達が遅くなることが示された.これは,(1)で述べたようにせん断発熱の影響があるためである.以上のように,平成20年度の研究では,実際に射出成形を行ったときの樹脂内部の温度分布を測定することができ,成形条件の違いにより温度分布が異なることが明らかにされた.具体的には,せん断発熱があることが示された.また,固化層発達挙動についても温度分布と同様に,せん断発熱の影響があることが示された.
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Research Products
(1 results)