2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド工具の損耗に及ぼす被削材との熱的親和性と切削形態に関する研究
Project/Area Number |
19560116
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐藤 昌彦 Tottori University, 工学研究科, 准教授 (50244512)
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Keywords | 切削 / 温度 / 測定 / ダイヤモンド工具 |
Research Abstract |
本年度は被削材として炭素綱S45C,チタン合金Ti-6A1-4v,ステンレス鋼SUS304,ニッケル合金Inconel718,無酸素銅Cuに対する単結晶ダイヤモンド工具による切削実験での工具刃先温度と工具摩耗を測定した.温度測定には赤外線放射2色温度計を使用し,切削中に工具と切りくずとの接触面から放射され工具内を透過してくる赤外線を工具裏面で受光することにより温度に換算した。実験は断続切削とし,切削長さを20mm,切削速度を1050m/min,被削材に傾斜をつけることにより切込みを0〜100μmの間で変化させた.切込みが10μmの場合には,工具刃先温度はS45Cで200℃,SUS304で250℃,Ti-6A1-4Vで500℃,Inconelで400℃,Cuで200℃以下であり,100μmの場合ではS45Cで420℃,SUS304で500℃,Ti-6A1-4Vで550℃,lnconelで550℃,Cuで200℃であった.Ti-6A1-4Vやlnconelの場合には切込みが小さくても刃先温度は高い,Ti-6A1-4V,SUS304,Inconelの場合には,切削後も工具すくい面に切りくずが凝着しているためにすくい面温度の低下は非常に遅かった.工具への凝着性が刃先温度に影響するものと考えられる.電子顕微鏡で工具摩耗を観察した結果,Cuに対しては工具はほとんど摩耗せず,Ti-6A1-4Vに対する摩耗が最も大きかった.ただし摩耗幅が数μmであり被削材ごとの定量的な比較と評価までは至っていない。S45Cに対しても摩耗が大きいが,チッピングも観察された.仕上げ面粗さについては,いずれの被削材に対しても工具の転写が明瞭に行われており,摩耗による変化は少なかった.ただし仕上げ面を観察したところS45Cの表面は若干荒れており,工具逃げ面に対する悪影響が考えられる.
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Research Products
(1 results)