2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物の潤滑性を利用した溶着低減による環境対応型加工法の研究
Project/Area Number |
19560117
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
臼杵 年 Shimane University, 総合理工学部, 教授 (10176670)
|
Keywords | 酸化物 / 潤滑 / 溶着 / 切削 / コーティング |
Research Abstract |
本研究の目標は、酸化に着目して酸化物あるいは酸化膜の持つ潤滑性により工具への被削材の溶着現象の低減、あるいは複合酸化物系保護膜を生成させ、工具と被削材の直接接触を防いで拡散摩耗を防止して工具寿命を延長する環境対応型加工法を提供することである。 本年度は、工具側の酸化によって溶着を防止する酸化物が供給される場合について、その可能性のあるコーティング工具(TiBONコーティング)を用いて、酸素濃度を変化させて工具の摩耗量変化とB濃度の影響を調査した。本コーティングは、高温で摩擦係数が0.35程度まで低下する。これは酸化の効果と考えられていたが、実験を行うと必ずしも高酸素状態で効果が得られなかったことや分析結果から、高温でのBNの軟化による潤滑効果だとわかった。またB濃度については、Ti6A14Vに対しては25%が、インコネル718に対しては15%のものが最も長寿命を示し、インコネル718ではTiA1Nコーティングに対して約3倍の寿命となり、好結果が得られた。次年度他のコーティングについても検討していく。また摩擦摩耗試験は、試験片の準備に手間取ったが完了し、これから実施試験を行うところである。
|
Research Products
(1 results)