Research Abstract |
パソコンのCPUなどをより効果的に冷却できる新型熱拡散デバイスの開発を目的として,そのデバイス内部に構築するマイクロ溝から成る毛細管構造体のための精密加工技術の開発を行った.マイクロ溝に求められる形状パラメータには,溝幅,深さおよびピッチがあり,これらを□m単位で精密に加工する必要があるため,ダイシングマシンを使用した.加工条件は加工精度,バリの発生,切削抵抗値,加工効率について検討し,送り速度2mm/s,回転数40,000rpm,ブレード切削方式はダウンカットを選定した.また,加工ブレードは刃数80枚の超硬K10製のメタルソーを選定した. 毛細管構造体の持つ流体駆動能力の評価には,CCDカメラ(HAS-220)を使用した.CCDカメラを用いて毛細管構造体上の2mm×2mmの領域を撮影し,毎回同じ位置からポンプによって蒸留水を0.001mL/sで滴下させた.それによって蒸留水の速度を計測し,毛細管構造体が駆動可能な流量を評価した. これらのマイクロ溝の形状は平行型と格子状を検討したが,校舎に優れた性能が確認できた,しかし,大きなバリの発生が確認されたため,メタルソーの両側面に5゜傾斜をつけ,側面に切りくずの高い排出性と高い切削性を有するバックテーパーブレードにより優れた結果が得られた.最終的にエッチングにより発生したバリをほぼ除去することに成功した. 溝深さを400□mに一定とし,溝幅のみを変化させた場合,溝幅330□mに流量Qの極大値が観察された.また,溝幅を330□mと一定にし,溝深さのみを変化させた場合,700□mに流量Qの極大値が確認できた.これらの最適なパラメータを持つ毛細管構造体(150mm角,溝加工本数1170本)を熱拡散デバイスに組み込み,現在熱研究室で最終性能を評価している.
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