2007 Fiscal Year Annual Research Report
電磁力励振式超音波スピンドルの試作とそれを用いる小径内面の精密研削技術の開発
Project/Area Number |
19560121
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
呉 勇波 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 教授 (10302176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 光由 秋田県立大学, システム科学技術学部(現豊橋科学技術大学・工学部), 助教(現特任助教) (70325942)
|
Keywords | 研削加工 / 超音波振動 / 内面研削盤 / 超音波スピンドル / 高周波スピンドル |
Research Abstract |
自動車エンジンの燃料噴射装置におけるシートの内面加工など小径内面の精密研削において通常数万〜十数万min^<-1>の高速スピンドルが用いられているが,高速回転による振動や軸受部の発熱などの問題のため,低速のスピンドルを用いても高速の場合と同等あるいはそれ以上の加工特性が得られるような技術が望まれる.この点では,超音波スピンドルを用いた超音波援用研削は,研削抵抗の低減や砥石のセルフドレッシング効果および研削点での冷却促進などの利点があるため,十分に期待されている.しかし,従来の圧電励振式超音波スピンドルは,接触式給電装置が不要で構造が極めてシンプルないわゆる電磁力励振式超音波スピンドルを設計・試作して、内面研削盤に搭載し,小径内面の研削に用いることによって,全く新しい加工装置による小径内面の高精度高能率研削技術の開発を目的としている. 本研究計画の1年目(平成19年度)は,まずディーゼルエンジンの燃料噴射装置におけるシート部の精密内面研削に適すように,直径数mm程度の小径内面の超音波援用研削実験装置の基本設計を行った.この装置は,既設のNC内面研削盤(岡本工作機械製IGM15EX)の砥石軸テーブルに3分力動力計(日本キスラー製9254)を介して試作超音波スピンドルユニットを取り付ける構造となっている。また小径砥石のツルーイング装置として,株式会社オオタ製1軸付ロータリードレッサーを導入し機上に設置できるようにした.なお,試作電磁力励振式超音波スピンドルと従来の圧電式超音波スピンドルとの性能を比較するために,既設IGM15EX内研機を適宜に改造し市販の圧電式ロータリ超音波スピンドルを搭載できるようにした. そして新型超音波スピンドルユニットを設計・製作し,励振実験を行った結果,明らかな超音波振動が確認され,最大振幅が0.2μm程度と得られている.今後(2年目のH20年度)は,従来スピンドルによる比較実験を含めて,超音波援用内面研削実験を体系的に行い,提案した加工法の妥当性と試作した装置の有用性を確認する.
|