2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマンフレンドリーな人工股関節システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
19560126
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
新谷 一博 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (80139758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 秀治 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (90278101)
兼氏 歩 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00303305)
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Keywords | 人工関節 / 生体材料 / 医用工学 / ヒューマンフレンドリー / ポリエチレンライナー |
Research Abstract |
現在、大腿骨インプラントシステムの中で最も損傷が激しく、人工関節再置換の原因と目されているものにポリエチレンライナーの摩耗がある。同ライナーは摩耗粉が生ずるとマクロファージが貧食することにより破骨細胞を活性化させることが問題視されている。本年度は骨頭の負荷される衝撃を受けるライナー部分の摩耗の低減に関する検討と人工関節装着後の患部応力分布の解析より適切な形状設計を行う。前者の摺動部から発生するU.H.M.W.P.E.の摩耗粉を抑制することを目的として,コーテッドU.H.M.W.P.E.の摩擦摩耗実験し,非晶質炭素の被膜が人工股関節ライナの摩耗粉抑制に対する効果を検討した結果,被膜厚さが500nmのHND被膜を施したU.H.M.W.P.E.は摺動回数が25万回を超え,およそ4か月に相当する寿命延長効果が期待できることを明らかとした。発泡化したU.H.M.W.P.E.の衝撃実験により,発泡体が有する衝撃緩和特性について検討した結果,衝撃緩和,塑性変形量の観点から体積率60vol.%が最も満足した結果が得られた.また,ソリッド体と発泡体とを複合化することで,変形抵抗率の改善に対して非常に有益であることが明らかとなった.一方、3次元応力解析を用いた人工関節挿入部の応力解析によるインプラントシステムの最適化ステムの構築については、変形性股関節症の進行に伴い患部骨盤に加わる応力分布がどのように変化するかを検討し,進行状況に適した人工股関節挿入位置を明らかとした.
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