2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブを用いた高アスペクト比ナノスケール加工法の開発
Project/Area Number |
19560127
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
松室 昭仁 Aichi Institute of Technology, 工学部, 教授 (80173889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 誠 愛知工業大学, 工学部, 教授 (40288428)
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Keywords | カーボンナノチューブ探針 / STM加工 / 高アスペクト比 / ナノスケール加工 / 凹凸加工 / 最適条件 / 金材料 / タングステン探針 |
Research Abstract |
ナノデバイスやナノマシンに代表される三次元ナノ構造体の作製が期待されている.しかし,これらの実現ためには数ナノメートル〜数十ナノメートルの加工スケールで高アスペクト比加工可能な技術が必要不可欠である。そこで数nm〜数十nmのナノスケール直径と極限的な曲率を持つナノチューブを探針として高度な位置制御機能を有する走査型トンネル顕微鏡(STM)が注目されている.本研究では,自作で作製した直径約50nmの多層カーボンナノチューブ探針にAuを蒸着させSTMを利用して微小構造体の作製を試みた. 最初に,カーボンナノチューブ探針をSTM加工に用いた場合の,加工形状への効果を検討した.対照探針として従来STMで用いられているタングステンを,電解研磨により曲率半径数十ナノメートルに尖鋭化して比較した.加工条件はバイアス電圧-5V,トンネル電流1nA,加工時間60s一定とした.タングステン探針を用いて加工を行った場合は,先端曲率半径を反映した形態を有し,加工高さ37nm,直径1300nmであった.これに対して,カーボンナノチューブ探針を用いて加工を行った場合は,加工高さ30nm,直径200nmで,ほぼ同一の加工高さに対し,直径は約1μmと大きく微小化されアスペクト比の高い構造体が得られた.この結果からカーボンナノチューブを用いるとアスペクト比の高い微小構造体の作製が可能であることが確認された. STM加工形態のバイアス電圧と加工高さおよび直径の関係について検討するため,トンネル電流1nA,加工時間60sでバイアス電圧を変化させた。加工高さおよび直径はバイアス電圧の増加に比例して増加した.また,本実験において-1Vから-3Vの間に閾値が存在することを確認した.この閾値は従来の探針を用いた場合とほぼ同一であった.-3Vと-5Vではアスペクト比はほぼ同一であった.加工高さから-5Vが最適な加工条件と判断し,以後バイアス電圧-5V一定として加工条件を検討した.次に,トンネル電流と加工高さおよび直径との関係について検討するため,バイアス電圧-5V,加工時間60sでトンネル電流を変化させた.加工高さおよび直径はトンネル電流の増加に比例して増加した.しかしアスペクト比は減少した.そこで応用に際し直径が小さくアスペクト比が高い条件である1nAが加工条件として適切であると判断した.
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Research Products
(1 results)