Research Abstract |
本研究の目的は,ダイヤモンドアンビルセル(DAC)高圧装置を用いて,直径約60μmの油中マイクロ金属球の塑性変形する様子を観察し,固化圧力,固化油のせん断応力などレオロジー特性を6GPa,100℃まで評価することである。初年度の研究実績を「研究実施計画」に照らし,以下にまとめる。 1)顕微画像処理システムの構築:構築したシステムを検討し,DACガスケットの変形は解析できることがわかった。DAC内の金属変形球の立体的測定については,最適な照明方法,対物レンズの倍率,厚さ方向の分解能などを検討した。変形球の表面は予想以上の凹凸が見られた。 2)金属球材料の塑性変形特性評価:金属球の塑性変形ひずみからの固化油のせん断応力試算法を検討し,それに必要な,銅,アルミ,りん青銅の応カーひずみ関係を調査した結果,引っ張り試験,圧延試験のデータを見つけ出し,簡単な圧縮実験結果とともに加工硬化式を導出した。 3)トラクション油中金属球の変形しやすい条件検討:ガスケット材料については,銅,アルミ,りん青銅,ベリリウム銅で実験を行ったが,それらを組み合わせれば,全圧力域で大きな相当ひずみを得られることがわかった。金属球の材料についてはアルミ球が固化圧力評価に適切,銅球,りん青銅球がせん断応力試算に適切,金属球の位置については,圧力室厚さ方向中央付近,圧力室半径方向中心付近が最も変形しやすいことがわかった。 4)固化圧力を予測するためトラクション油の高圧粘度測定:圧力の簡易的な決定法確立のための基礎実験を行った
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