人工股関節の多方向滑り状態の解析と潤滑への影響に関する研究

2007 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19560145
• Research Institution: Oita University
• Principal Investigator: 今戸 啓二 Oita University, 総合科学研究支援センター, 准教授 (80160050)
• Keywords: Artificial hip joint / Multi-direction / Slide track / Lubricating condition / High-speed camera

Research Abstract

今年度は10月に採択が決定して,高速度カメラの納品されたのは年明けの平成20年1月となり,納品後にカメラの大きさに合わせて実験装置を改造していったため,十分な研究実績を上げることは出来なかった.非常に強力な光量を必要とする高速度カメラに対しては,現有の顕微鏡用光源では全く不十分であることが判明し,光源の電源部をパワーアップするなどの改造を行った.摩擦面しゅう動部の観察窓周囲についても多くの光が到達するように改造を行ったが,未だ満足できる状態にはない.装置の改造とともに高速度カメラで撮影したデジタル画像を処理する画像処理ソフトもいくつか作成した.それらの画像処理ソフトで評価した結果,観察対象であるポリエチレンとサファイアガラスとの接触面の状態に,平面的に変化する光量分布が重ね合わさって観測されるため,両者の成分を分離する必要のあることが分かった.どちらか一方でも均一であれば両者を分離することは可能であるが,どちらも不均一であるため接触状態のみの画像を観察画像から分離抽出することは困難を極める.来年度は照明法と接触状態の何れかでも均一にするようにして,観察像から接触状態のみを抽出する方法を考案する計画である.