2007 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタ膜を用いたき裂発生寿命の実測に基づく疲労強度に及ぼす表面状態の影響評価
Project/Area Number |
19560146
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
とう 鋼 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (90237040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 勉 宮崎大学, 工学部, 教授 (40038055)
前田 幸治 宮崎大学, 工学部, 准教 (50219268)
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Keywords | 疲労き裂 / き裂発生の検出 / イオンスパッタ膜 / 疲労発生寿命 / 絶縁膜 |
Research Abstract |
平成19年度の計画にしたがって研究を進め,以下の成果が得られた. 1)イオンスパッタ膜を金属表面に用いるための絶縁膜の作成手法の開発について これまでシリコン蒸着,ガラス蒸着,瞬間接着剤及び絶縁材の塗布などの手法で絶縁膜を作成した.絶縁膜の薄さと絶縁抵抗,作成のしやすさから,絶縁材の塗布が本き裂発生検出法に適していることとの結論が得られた.用いた絶縁材はハンダマスキング剤と呼ばれ,サンハヤト社製のグリーンレジスト(型式GR-303)である.本絶縁材の主要成分はアルキド樹脂であり,プリント基板用のコーティング剤に用いられている. 2)疲労き裂発生検出用三点曲げ疲労試験片の切欠き形状の検討(担当:〓,中西) き裂の検出及びき裂の発生寿命に及ぼす試験片表面状態の影響を調べるため,き裂は切欠きの中央部の滑らかな場所で発生することが重要である.そのため,切欠きの形状を丸み形状の切欠きにした.切欠き底部の表面状況の観測やイオンスパッタ膜の作成しやすさを考慮して,切欠きの深さを5mm前後,切欠き底部の半径とクラウニング半径を約5mmにした. 3)アクリル材試験片と炭素鋼試験片の疲労き裂発生の検出 上記の切欠きを導入した疲労き裂発生検出用三点曲げ疲労試験片を設計製作し,アクリル製及び金属製試験片に疲労き裂発生の検出を行った.イオンスパッタ金属膜の電気抵抗の変化が明確に確認された後,繰返し負荷を中止し,試験片の切欠き部において長さ0.5mm前後の疲労き裂が観測された.さらに,イオンスパッタ金属膜の電気抵抗の変化の記録から電気抵抗の上昇開始点を確認でき,その時点を疲労き裂の発生の瞬間と見ることができると考えられる.
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