2008 Fiscal Year Annual Research Report
地震など危機状態に即応する安全性確保の滑り軸受の開発とそのトライボロジー解析
Project/Area Number |
19560150
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 洋次 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10063760)
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Keywords | 滑り軸受 / トライボロジー / 機械機能要素 / 設計工学 |
Research Abstract |
初年度の平成19(2007)年度では、緊急時の自家発電装置ならびに緊急避難・援助物資の運送南の自動車に使用されるエンジン軸受は、4種類の滑り軸受を用いているので、その諸性能を解明するために、極めて高精度の実験装置を開発試作し、透明材料で制作した軸受で油膜観察を行い、かつ油膜圧力や軸心奇跡を計測する測定方法を考案し、実験的に検証した。 2年目の本年度の平成20(2008)年度では、前年度は本科研費で購入した1台の高速度ビデオカメラで透明材料の軸受を撮影したが、今回はさらに、反対側の油膜の様相が及ぼす影響を検討するために、既存の高速度ビデオカメラをも使用し、2台の高速度ビデオカメラをトリガー信号で互いに連動させ、かつ軸が回転しはじめるときにストロボを発光させ、記録されたコマ画像にも時刻信号を撮影させた。 その2つの高速度ビデオカメラの撮影画像を分析した結果、静止状態から定常状態までの運転過程の油膜の状況が解明され、油膜破断は負圧側の潤滑油中の気泡が油膜圧力の低下によって析出するエアレーションであることが明らかになった。高速度ビデオカメラによって、油膜破断の成長過程も明らかになり、軸受外部から、空気が侵入すると同時に、軸受外部へ流出した潤滑油が再侵入するという興味深い現象が解った。 従来のトライボロジーでは全く想定・考慮していない現象なので、次年度の研究で理論的に解明配慮する予定である。
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Research Products
(2 results)